その130分間という短い上位英時間の中で、おくりびとの世界を作り上げるのは大変な作業であったと思われます。
なんといってもおくりびとでは納棺師という仕事だけではなく、葬儀の場面や主人公の心理的成長、妻の理解なども描かなければならないのです。
130分間という決められた時間で、すべてのこと表現しなければならなったおくりびとの脚本や編集作業はかなり困難だったことでしょう。
主人公にだけフォーカスしてもいけないし、納棺師という仕事だけでも、おくりびとの世界は作りあげられないからです。
130分間という決して大作ではない映画の中で、あますところなくすべてを表現しきっているのがおくりびとです。
おくりびとの上映時間は長すぎても、短すぎても、おそらくは作品を作ったスタッフは満足できなかったことでしょう。
この130分間という決められた時間で作り上げられたおくりびとの世界は、観客を飽きさせずに物語に入り込ませられる時間です。
納棺師という仕事だけでなく、仕事に対する矜持などをおくりびとでは描いていきますから、かなり難しかったのではないでしょうか。
またおくりびとに登場する人物たちを膨らませ、「どこかにいるかもしれない人」という描写も不可欠です。
そこをおくりびとは130分間という時間の中で、しっかりと描ききって、魅力的な物語と登場人物に変えています。
映画にとって上映時間は観客を飽きさせず、物語にきちんと入り込ませるように設定されていて、おくりびとはそれに成功しているようです。
おくりびとについての情報をサイトやブログ、掲示板を使って集め、おくりびとにとっての130分間は何かを考えても面白そうです。
おくりびとの130分間と区切られた時間の中で、どれだけその世界に観客を引き込めるかは監督の手腕かもしれません。
130分間のなかで生き生きとキャストが動き回り、悩み、そして成長しながら、納棺師という仕事にフォーカスを当てたおくりびとなのです。
おくりびとは130分間と決して長い映画とは言えませんが、それだけ濃密な映画なのではないでしょうか。
監督である滝田洋二郎さんもおくりびとを完成させることはまさに時間との戦いではなかったのではないかと思われます。
中にはいろいろとカットしたシーンもあったであろう、おくりびとは無駄のない映画に仕上がっているようです。
130分間映画におくりびとを仕上げるため、入れたかったシーンなどもあったでしょうが、切り捨てたシーンも見せてほしい気もします。
ですが130分間にしっかりと作り上げられた映画のほうが観客をぐいぐいと映画の物語に引き込むことも計算されているのがおくりびとです。
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